

大筋の構造としては,事件が起こりその関係者それぞれを描写していくことにより,全体像をつなぎ合わせて行く,といったところ.九州北部を舞台としており (著者の地元),方言といい個人的には異国並みに遠い地域の話ではありました.いずれの登場人物とも,ごく普通に生きてきて,その過程で特段の落ち度も無くむしろそれぞれの環境でそれなりに生きてきたものの,結果として不遇に見舞われてしまう,みたいな感じのお話です.安っぽい言葉で言えば社会が悪い,ということかもしれませんが,それぞれのちょっとした不備が突発的に集約されて暴発し,それがそれぞれに跳ね返ってくる,みたいな感じでしょうか.
こういった小説は,ちょっと前は多かったよなぁ,最近少なくなったよなぁという感じの作品でした.
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