2009年9月30日水曜日

太陽を曳く馬

高村薫による上下刊の小説.先ほど読了.
購入したのが7/30なので,丁度2ヶ月かかりました.読み始めがバリ島だったので,実質1ヶ月半だったみたいです.クラブ三省堂カードで登録しているので,何時買ったのかが分かるのは便利かもしれません.ポイントは微々たるものなので.

高村薫の小説は,「リビエラを撃て」以降大体読んでいます.本作は,「マークスの山」「照柿」「レディジョーカー」のシリーズと「晴子情歌」「新リア王」のシリーズの融合的な形をとっていますが,ほとんど後者のシリーズの延長の位置づけでしょう.発表順的にも.内容的にも文体的にも.実は「新リア王」は読んでいないのですが,多分あまり影響は無かったと思います.全体として,あまり読みやすく無いですし,動きも少ないのでお勧めできません.本屋には結構平積みされていますが,最後まで読み切れた人は少ないんじゃ無いかと思うくらいです.

内容としては,二つの事件を軸に展開していますが,ほとんどが宗教(仏教)談義になっています.ほとんど哲学なんですが,多分これは徹底的に議論してみせることによって,実際に悩んでいる純粋な人達が,表層をこねくり回したような軽薄なものに引きずられてしまうのを防ぐ意味合いもあるんじゃないかと思います.だからあえて妥協せず難しい概念はそのまま使って論理を展開する,ということがこれでもかと続いているのではないかと.
こういった手法は,宗教とか哲学に限らず,実は数学の世界も同様です.新しい記法や文法を定義し,これまで説明困難だった事象や新しい概念を表現(記述)し,さらに展開していく手法はまさに数学の世界です.微積分や文脈自由文法とかオートマトンとか,これまで先人達が構築してきた文法のおかげで様々な恩恵が受けられています.的なことを思いながら,内容をきちんと理解することを早々に諦めて読んでいました.
「1Q84」はオウム的なものとして新興宗教が出てきますが,こちらでは明確に元オウム信者が出てきます.同じような時期に著名な作者が同じような題材を持ち出すのは,やはり時代背景が影響しているのでしょうか.

2009年9月3日木曜日

Beijing, China

2009.08.23[Sun]-2009.08.26[Wed] と 3月に引き続き北京に出張してきました.

今回は間が約5ヶ月しか空かずに同じ場所への出張となり,これまでにない新しいパターンです.3月は寒かったですが(それでも想像よりは暖かかった)8月はあたりまえですが暑かったです.事前の情報では気温としては30度を超えないようでしたが,体感としては東京と同じくらいでしょうか.
着いた初日は結構晴れていましたが,二日目以降は晴れていても視界が悪く,夜ともなればもやの様な感じでさらに見通しが悪くなります.3月のときもその傾向はありましたが,さらに拍車がかかった感じです.それほど車の数が極端に多い,という印象はうけませんでしたので,排気ガスというよりは郊外の工場とかが原因なのでしょうか.


来年は上海万博ということで,首都北京でもど真ん中にマスコットが居ました.
今年の10月には建国60周年らしく,故宮 (紫禁城) が改装されたり,公安ではない私服をきた一般市民 (ボランティアと報道されているようですが多分ある組織の一員だと思いますが)が天安門で警備をするなど,平常ではないような感じです.前回も,ちょうど全人代が開催中で,警備が厳しかったですが.

今回も地下鉄を沢山利用しました.乗り換えても一律 2元 (約30円ちょっと)と安いのと,場所的にも便利なところを通っているので.相変わらず荷物を持っている場合は,乗車前にX線検査が必要です.ちゃんと確認しているのかどうか若干怪しいですが.今回は空港からの移動にAirportExpressと地下鉄を利用したので,大きな荷物のときもあったのですが,空港の検査と同じくらいのサイズで普通に通すことができました.地下鉄で穀物袋を何個か持っていた人も居たのですが,彼らもきちんと通したのでしょうかね.
AirportExpress は空港の Terminal 3 から Terminal 2 を経由して (このとき switch back で切り替える) 地下鉄 2号線の 東直門 (Dongzhimen) 駅に到着します.これも 25元で安いですし時間も 20min くらいと早いです.帰りも同じ経路で空港まで行きました.
中国の地下鉄は,マナーが悪いです.警告文なども掲示されているようですが,相変わらずです.まず人が降りるまえに乗ってきます.降りるときも周辺の人はあまり動いてくれないので (まあかけ声が分からないというのもありますが),到着してから奥の方から降りることは事実上困難なので,降りる駅が近づいてきたらドアの近くまで移動した方が良いです.開くドアはいつも同じ方向ですので (少なくとも乗った路線では)なるべく乗ったドアの周辺に留まっていた方が良いと思います.



北京でみかけた中国産ビールは,燕京(Yanjing)ビールと青島(Tsingtao)ビールくらいでした.TsingTao Beerは日本でもよく見ますのでもっぱらYanJing Beerを良く飲んでいました.ホルムアルデヒドが含まれている,という噂もあったみたいですが(あとで知った).
中国でもワインはあって,結構売られています.上記はよく見かけた GreatWall という銘柄です.万里の長城ですね.業界では中国の怪しげな通信規制をGreatFireWallなどと揶揄しますが,この訳がわからないとちょっと通じないこともありますね.
これはホテルの Lounge であったものです.夕方から Happy Hour があって,軽い食事と Beer, Wine, Softdrink などが置いてあります.お世辞にも美味しいとは感じられませんでした.保存が悪いせいかもしれません.ちょっと酸味しか感じられませんでしたので,試しに買うのもやめました.