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2011年1月7日金曜日

2010 book info

去年 (2010) に読了した本 (雑誌,漫画等除く) のリストも備忘録として残しておきます.会社の側の三省堂書店では,CLUB SANSEIDO CARD なるものを発行しており,購入の都度 1%のポイントがつきます.日本では本が定価販売なので,こうしたサービスは有り難く,極力三省堂書店で本を買うことにしています.しかも web から購入履歴を参照できるので,記録としてもとても便利です.

小説とかは,気に入った作者のものをまとめて読む癖があるので,偏ってしまう傾向があります.去年から家族で海堂尊を読むような状態になっており (きっかけは TV ドラマですが) 連続してしまっています.これまで読了したのは以下の通り.いずれも文庫版.

  • チームバチスタの栄光
  • ナイチンゲールの沈黙
  • イノセント・ゲリラの祝祭
  • 螺鈿迷宮
  • ジーン・ワルツ

村上春樹も必ず読むのですが,作品のペースが遅いので,一度は読んだはずの短編集の再編版なんかもつい買ってしまいます.「めくらやなぎ...」がそれにあたりますが,これは海外で発表された短編集の日本向け版です.

  • めくらやなぎと眠る女
  • 1Q84 BOOK 3

他は以下あたり.

  • 白銀ジャック 東野圭吾
  • 天人五衰 三島由紀夫

「天人五衰」は,最後の作品である「豊饒の海」四部作の最後になります.村上春樹は三島が苦手で最後まで読めたことが無いとインタビューで述べていますが,確かに人によっては読みづらい部類かもしれません.この四部作も5年くらいかけて読み切ったはずです.最後も購入してから読み始めるまで2年くらいかかったようです.四部作の中では,最初の「春の雪」が一番良かったと思います.

小説以外では,以下を読みました.原題は Freakonomics で,作者の造語みたいです.ビジネス書の類いはあまり読まないのですが,これは押し付けがましい部分が無く,データによって淡々と (若干くどい部分もありますが) 説明する内容は信憑性があります.

  • ヤバい経済学 Steven D. Levitt, Stephen J. Dubner
  • 超ヤバい経済学 Steven D. Levitt, Stephen J. Dubner

1冊/月あたりですから,傾向として昨年はあまり本を読まなかったようで,読んだ本も軽めの本が多かったように思います.多分いろいろ疲れているのでしょう.相方が珍しく本を買うので,ついでに読んだ,という感じでした.

2009年9月30日水曜日

太陽を曳く馬

高村薫による上下刊の小説.先ほど読了.
購入したのが7/30なので,丁度2ヶ月かかりました.読み始めがバリ島だったので,実質1ヶ月半だったみたいです.クラブ三省堂カードで登録しているので,何時買ったのかが分かるのは便利かもしれません.ポイントは微々たるものなので.

高村薫の小説は,「リビエラを撃て」以降大体読んでいます.本作は,「マークスの山」「照柿」「レディジョーカー」のシリーズと「晴子情歌」「新リア王」のシリーズの融合的な形をとっていますが,ほとんど後者のシリーズの延長の位置づけでしょう.発表順的にも.内容的にも文体的にも.実は「新リア王」は読んでいないのですが,多分あまり影響は無かったと思います.全体として,あまり読みやすく無いですし,動きも少ないのでお勧めできません.本屋には結構平積みされていますが,最後まで読み切れた人は少ないんじゃ無いかと思うくらいです.

内容としては,二つの事件を軸に展開していますが,ほとんどが宗教(仏教)談義になっています.ほとんど哲学なんですが,多分これは徹底的に議論してみせることによって,実際に悩んでいる純粋な人達が,表層をこねくり回したような軽薄なものに引きずられてしまうのを防ぐ意味合いもあるんじゃないかと思います.だからあえて妥協せず難しい概念はそのまま使って論理を展開する,ということがこれでもかと続いているのではないかと.
こういった手法は,宗教とか哲学に限らず,実は数学の世界も同様です.新しい記法や文法を定義し,これまで説明困難だった事象や新しい概念を表現(記述)し,さらに展開していく手法はまさに数学の世界です.微積分や文脈自由文法とかオートマトンとか,これまで先人達が構築してきた文法のおかげで様々な恩恵が受けられています.的なことを思いながら,内容をきちんと理解することを早々に諦めて読んでいました.
「1Q84」はオウム的なものとして新興宗教が出てきますが,こちらでは明確に元オウム信者が出てきます.同じような時期に著名な作者が同じような題材を持ち出すのは,やはり時代背景が影響しているのでしょうか.

2009年7月13日月曜日

Millennium

Steig Larsson (ステイーグラーソン) による 3部作シリーズ.
日本では早川書房から翻訳版が出版されており,先週末 (7/10) にようやく 3 を購入して読み始めたところです.最初はどこかの書評で絶賛されていたのを覚えていて本屋さんで何か読むものをと探しているときに思い出し,4月頃に 1 (The Girl with the Dragon Tattoo) から読み始めました.今は最後の佳境のところに差し掛かっています.

舞台が Sweden で登場人物も一部耳慣れない (見慣れない) 名前が多かったりと当初は違和感もありました.これ,翻訳もフランス語版から日本語に訳して原本と調整というやり方をされたんですね.そういえば,海外翻訳の多い村上春樹のものもそういう訳し方が多いと何かで読みましたが,変換の変換みたいな訳し方だと結構微妙なニュアンスとかが伝わらなかったりしませんかね.Millennium の場合は話の筋自体が面白いのでぐいぐい読めますが.以前,米国の方と小説の話をしていて,三島由紀夫の The Sea of Fertility tetralogy (豊饒の海4部作) が好きだと言っていたのですが,私もそのあと読みましたが,これはちょっと読みにくいんではないかと思いました.まだ3部 (暁の寺) までしか読了していないのですけれども.話の筋というより人の心の中と人間関係が中心の物語ですし,まぁ外国の方には新鮮かもしれませんが.春の海 (1部) は映画化もされましたが,面白かったと思います.

さて,話を Millennium に戻します.1 は分類としてはミステリですかね.離島 (といってもそんなに離れていない) の密室での事件を数十年後に解決する,というのが大筋です.謎解きは明かされる前に何となくわかりましたが,全体としてはなかなか良くできています.Sweden はお金の単位はクローナ (Krona) なんですね,お金の金額が時々出てきますが,感覚がちょっと分かりづらかったです.13倍くらいすると日本円になるみたいです.本国では映画化もされたみたいで,予告編を某動画サイトでみましたが,なかなか面白そうな感じです.


2 (The girl who played with fire) は分野としてはサスペンス,といったところでしょうか.今回は Lisbeth Salander を中心にその過去の因縁に関わる現在の事件について追う,みたいな感じです.終わり方がやや唐突的でありましたが,3 (La reine dans le palais des courants d'air, 英語版の出版はまだみたいでこれはフランス語の副題,邦題は 眠れる女と狂卓の騎士) はその直後からはじまりますので,2と3は明らかに続き物です.1と2の間には時間的に半年から1年間が空いていますが.



3 は旅行中に読破しました.なかなか面白かったです.1Q84 も異国で読み終えましたが.こちらも分類としてはサスペンスでしょうか.なんだかんだで振り出しに戻る,みたいな流れになります.三部作を通してそれぞれがうまく繋がっていて,最初から三部作を意識して作ったような構成になっています.本当にそうかもしれませんが.しかし,残念ながら作者の Steig Larsson さんはその後に急死されてしまいましたので,続きはありません.

2009年5月27日水曜日

1Q84

村上春樹の最新刊.2009.05.29[Fri]発売と発表されていたが05.27[Wed]には三省堂書店に並んでいました.上下刊 (正確には Book1 と Book2) とも各1,800円.早速購入.テレビのニュースでも報道されていました.

翌週には上巻(Book1)が売り切れとか.本当かと思って水曜日あたりに三省堂書店に行ってみたら本当に無かった.増刷が追いつかない状況とか,三省堂書店恒例の本のタワーがこじんまりとしていたので,内容がいまいちであまり力が入っていないのかなと思っていたくらい.通勤時間を利用してようやく上巻(Book1)が読み終わったところ.なかなか不思議系のお話ですが,ようやく話が展開してきたところ.

出張を利用して読破しました.そうですねぇ,言わんとする事柄はなんとなく理解できるのですが物語としてもう少しメリハリというかエンターテイメント性が欲しかった気がします.しかしもう100万部突破ですか.出版不況にあっては書店としては有り難いのでしょうけれども.帰国してから書店に行くと Book1 も並んでいました.増刷が追いついたのでしょうね.

2008年1月29日火曜日

イン・ザ・プール

奥田英朗著による短編シリーズの第一弾.続編の「空中ブランコ」は直木賞を受賞.
直木賞をとったとのニュースが出てから,面白そうだと文庫版を読んだのですが,実際に読んだのは去年のことでした.昨年末に「空中ブランコ」の方も文庫版が出たので読みましたが,やはり「イン・ザ・プール」の方が最初だけにインパクトがあって面白かったように思います.

内容は,本当にこんなことあるの,というくらいの患者の悩みなのですが,多少デフォルメされているのでしょうが,同じような悩みはこの現代に於いては多いだろうな,と思います.大体が解決の方向に向かうのですが,その過程が非常識でユーモラスに描かれています.まぁ同じようなことは出来なくても,根本の部分は似たり寄ったりでしょうから,参考になる部分はあるんじゃないかと思いました.読んだあとで少し元気になったような気がします.何事も焦らず疲れたら休む,ということでしょうか.
単項本ではさらに続編「町長選挙」が出ているようです.文庫化されたら読みたいと思います.

気に入った作家があると続けて読む傾向があるのですが「真夜中のマーチ」も読みました.なるほど,元々こういう軽い文体なのですね.こちらもまぁまぁ面白かったですが,少し若者向けですかね.あとは大藪春彦賞をとった「邪魔」を読むかどうかだなぁ.

2008年1月28日月曜日

魂萌え!

そういえばいろいろ本を読んでいながらあまりその感想などを書き留めておかなかったことに気がつきました.今年に入って既に二冊読んでいますが,少しづつ本の感想を記していきたいと思います.
二冊といっても,一つは文庫で上下刊構成なので実質三冊なのですが,その長い方が桐野夏生著の「魂萌え!」でした.そんなに好きな作家ではないのですが(結構つらい内容が多いので),ついつい読んでしまう筆力は相変わらず見事で今回もあっという間でした.
2004年に毎日新聞で連載され,文庫版は2006年11月の出版.

これまで,「OUT」「柔らかな頬」「グロテスク」「残虐記」と読んで五冊目ですが,これまで読んできたのとは違って比較的普通に読める方の作品でした.良くある話だとは思いますが,なかなか当事者とか近い人が似たような状況にならないと,きっと理解が難しい種類のテーマをうまく扱っていると思います.これまで読んだものもそういう傾向が強いと思いますが切り口が見事,ということでしょう.
確か NHKでドラマ化されたと記憶していますが,調べると映画化もされたみたいですね.そう,現代ではいずれやってくる,しかしまだ皆があまり経験してこなかった状況をうまく先取りしている部分がある意味新鮮だったのだと思います.あと四半世紀もすれば,社会的にもあるていどノウハウが溜まるとは思いますが,それまでが辛い時期なのでしょうね,当事者にとって.そういう意味で,社会構造の変化がもたらす現実というものの対処,現在の日本に於いては戦後のいわゆる核家族化とか団塊の世代の方々の引退とその後,という状況の経験の積み重ねが今後社会的に必要になってくるのだろうとは思います.

似たような構造として,一人っ子政策をしている中国の現在,既に兄弟がほとんど居ない若者達が自立しはじめる現在とその後,についても今後いろいろ混乱は生じるのだろうな,とは思います.
しかも,あれだけの人口ですし世界に対する影響もきっと無視できないんじゃないでしょうか.ちょっと不安,と思うのは変化を嫌う年寄りということなのでしょうかね.

2007年7月12日木曜日

グレート・ギャツビー

最初に読んだのはかれこれ10年以上前でしょうか.
読んだきっかけは村上春樹の影響でした.野崎孝訳だったのですが.村上さんも自身でも多くの人の感想として述べられている通り,そんなにすごい小説かなというのが最初の感想でした.その後,ようやく村上春樹訳として出版されたのですが,正直,粗筋を覚えてしまっているので (実際かなり忘れていましたが) 手に取って実際に読むまで少し時間がかかってしまいました.
the great gatsby
読んだ感想としては,コンパクトにまとまっているし,情景が目に浮かぶような描写も多く,なるほどレベルの高い小説だな,と思いました.本質的に映画もそうなんですが,本を読む場合も story 重視の傾向があって,風景描写や感情の細かい表現はイライラするほどではないですが,どちらかというと読み飛ばすような傾向があるのですが,その意味では比較的きちんと読んだ方ではないかと思います.