2008年1月29日火曜日

イン・ザ・プール

奥田英朗著による短編シリーズの第一弾.続編の「空中ブランコ」は直木賞を受賞.
直木賞をとったとのニュースが出てから,面白そうだと文庫版を読んだのですが,実際に読んだのは去年のことでした.昨年末に「空中ブランコ」の方も文庫版が出たので読みましたが,やはり「イン・ザ・プール」の方が最初だけにインパクトがあって面白かったように思います.

内容は,本当にこんなことあるの,というくらいの患者の悩みなのですが,多少デフォルメされているのでしょうが,同じような悩みはこの現代に於いては多いだろうな,と思います.大体が解決の方向に向かうのですが,その過程が非常識でユーモラスに描かれています.まぁ同じようなことは出来なくても,根本の部分は似たり寄ったりでしょうから,参考になる部分はあるんじゃないかと思いました.読んだあとで少し元気になったような気がします.何事も焦らず疲れたら休む,ということでしょうか.
単項本ではさらに続編「町長選挙」が出ているようです.文庫化されたら読みたいと思います.

気に入った作家があると続けて読む傾向があるのですが「真夜中のマーチ」も読みました.なるほど,元々こういう軽い文体なのですね.こちらもまぁまぁ面白かったですが,少し若者向けですかね.あとは大藪春彦賞をとった「邪魔」を読むかどうかだなぁ.

2008年1月28日月曜日

魂萌え!

そういえばいろいろ本を読んでいながらあまりその感想などを書き留めておかなかったことに気がつきました.今年に入って既に二冊読んでいますが,少しづつ本の感想を記していきたいと思います.
二冊といっても,一つは文庫で上下刊構成なので実質三冊なのですが,その長い方が桐野夏生著の「魂萌え!」でした.そんなに好きな作家ではないのですが(結構つらい内容が多いので),ついつい読んでしまう筆力は相変わらず見事で今回もあっという間でした.
2004年に毎日新聞で連載され,文庫版は2006年11月の出版.

これまで,「OUT」「柔らかな頬」「グロテスク」「残虐記」と読んで五冊目ですが,これまで読んできたのとは違って比較的普通に読める方の作品でした.良くある話だとは思いますが,なかなか当事者とか近い人が似たような状況にならないと,きっと理解が難しい種類のテーマをうまく扱っていると思います.これまで読んだものもそういう傾向が強いと思いますが切り口が見事,ということでしょう.
確か NHKでドラマ化されたと記憶していますが,調べると映画化もされたみたいですね.そう,現代ではいずれやってくる,しかしまだ皆があまり経験してこなかった状況をうまく先取りしている部分がある意味新鮮だったのだと思います.あと四半世紀もすれば,社会的にもあるていどノウハウが溜まるとは思いますが,それまでが辛い時期なのでしょうね,当事者にとって.そういう意味で,社会構造の変化がもたらす現実というものの対処,現在の日本に於いては戦後のいわゆる核家族化とか団塊の世代の方々の引退とその後,という状況の経験の積み重ねが今後社会的に必要になってくるのだろうとは思います.

似たような構造として,一人っ子政策をしている中国の現在,既に兄弟がほとんど居ない若者達が自立しはじめる現在とその後,についても今後いろいろ混乱は生じるのだろうな,とは思います.
しかも,あれだけの人口ですし世界に対する影響もきっと無視できないんじゃないでしょうか.ちょっと不安,と思うのは変化を嫌う年寄りということなのでしょうかね.

2008年1月4日金曜日

A Happy New Year!

今年の正月休みは少し早めに & 長めに取得しました.こんなに長く会社を休んだのは久々というか初めてじゃないかというくらい.とはいっても 13日間なので vacation というにはほど遠いのですけれども.
昨年は予想外に海外出張が多かったり,慣れない仕事があったりしたおかげで,後半から体も含めて調子を崩してしまいました.そこで今回は,少し何もしない日々を設定してみました.ちょっと事情があって遠くへ行ったりできないので,本当にのんびりと過ごしました.本当はいろいろ一人で歩き回りたかったのですが,昨年の出社最終日にちょっと足を痛めてしまい,休暇冒頭から歩けない状態が長く続いてしまったのでその予定は断念しました.またいつかチャレンジしたいと思っています.
昨年後半は,首の筋を痛めて起き上がれなかったり,足を痛めたりと肉体的な不調も重なりました.もう年なんですかね.

今日から仕事なのですが,おかげで昨年末よりは少し調子も戻っているような気がします.
今年は怪我の無いよう,のんびりと初心にかえって仕事をしていきたいと思っています.