直木賞をとったとのニュースが出てから,面白そうだと文庫版を読んだのですが,実際に読んだのは去年のことでした.昨年末に「空中ブランコ」の方も文庫版が出たので読みましたが,やはり「イン・ザ・プール」の方が最初だけにインパクトがあって面白かったように思います.
内容は,本当にこんなことあるの,というくらいの患者の悩みなのですが,多少デフォルメされているのでしょうが,同じような悩みはこの現代に於いては多いだろうな,と思います.大体が解決の方向に向かうのですが,その過程が非常識でユーモラスに描かれています.まぁ同じようなことは出来なくても,根本の部分は似たり寄ったりでしょうから,参考になる部分はあるんじゃないかと思いました.読んだあとで少し元気になったような気がします.何事も焦らず疲れたら休む,ということでしょうか.
単項本ではさらに続編「町長選挙」が出ているようです.文庫化されたら読みたいと思います.
気に入った作家があると続けて読む傾向があるのですが「真夜中のマーチ」も読みました.なるほど,元々こういう軽い文体なのですね.こちらもまぁまぁ面白かったですが,少し若者向けですかね.あとは大藪春彦賞をとった「邪魔」を読むかどうかだなぁ.