2010年5月16日日曜日

1Q84 Book3

村上春樹を読み始めてからもう四半世紀でしょうか.最初は勿論「風の歌を聴け」でしたが,そのときの年齢や時代,それらの変化が合っていたのでしょう,新刊が出るたびにずっと読み続けています.エッセイや紀行文などはわりと軽めですが,小説は段々と重苦しくはなってきているように感じます.



「ねじまき鳥クロニクル」のときもそうですが,最初に2冊 (第1部と2部) が出て若干消化不良気味な終わり方のあと,暫くして 3冊目が出ました.いずれも出さなくても大筋としてはあまり影響は無かったと思わないでもありませんが,いずれも続編で多少 (Book 3 はかなり) 救われた感が増します.好みの問題もあるかと思いますが.
それにしても牛河さんはちょっと可哀想ですね.以前も同じ名前で似たようなキャラクターが出てきましたが,ある種の象徴として利用しているのでしょうか.ちょうど手塚作品でのヒョウタンツギ (これはちょっと違うか) やランプみたいな存在でしょうか.
この作品も,二つの世界 (1984 と 1Q84) が出てきますが,言わずもがなですが "世界の終わりとハードボイルドワンダーランド" でも二つの世界が出てきます."1973年のピンボール" でも双子が出てきます.村上氏は一人っ子のせいでしょうか,似たような二つのもの対する思い入れが何かあるのかも知れません.

2010年5月14日金曜日

Sao Paulo, Brazil

2010.05.04[Tue] から 05.10[Mon] まで,Brazil の サンパウロ州 (Estado de São Paulo) の Sao Paulo 市に出張に行ってきました.
7日間といっても,3泊7日ですから 4日分は飛行機の上だった,ということになります.ゴールデンウィークの最中,休日を 4日費やしての出張です.経路は NRT -> JFK -> GRU -> DFW -> NRT で米国を経由しましたが,今回は行きと帰りで中継場所を変えました.帰りを JFK 経由にすると,5時間ほど待ち時間が発生しますが,DFW (Dallas/Fort Worth International Airport) 経由だと 3H ほどで済みます.入国審査やら移動,搭乗時間などを含めると,1H ちょっとのんびりするだけで済みました.

JFK では丁度,Manhattan (多分) に沈む夕日が見られました.長旅 (13H) の後に飲む Beer と夕日はなかなか良かったです.ここからまた 10H ほど飛行機に乗るのですが.


最近,米国行きの飛行機 (米系航空会社) ではアルコールが有料 (昔は 5 USD だったと思いますが今回は 7 USD でした) になっていますが,ラウンジでも基本アルコールは有料みたいです.ただし,今回 JFK では drink coupon を頂いたので,Beer (Samuel Adams Seasonal) を飲みましたが.帰りの DFW では何もありませんでした.最も早朝だったせいで,アルコールを飲む気分ではありませんけれども.ちなみに NRT の Admiral Club では,Super Dry (何ででしょうねぇ) の Draft Beer server がありますし,GRU でも缶ですが 3種類ほど Beer が置いてありました.航空機が特に米国などで斜陽産業になっているせいでしょうか.だんだんとサービスが簡素化されてきて寂しい限りです.



ブラジルに渡航するには,ビザが必要になります.パスポートに貼られるので,今回も 1ページ消費してしまいました.今回は米国経由なので,経由地 (JFK, DFW) では米国への入国審査が必要になります.乗り換え目的と言えばほとんど問題が無いのですが.JAL の直行便だと不要みたいですが (それでも JFK に給油のために停まる),2便/週 と曜日が限られており,今回は利用できませんでした.また,今年の暮れには便自体が廃止になるみたいです.現地の日本人の方々も残念がっておりました.

Sao Paulo 市は,1,100万の人口を持つ南半球最大の都市だそうです.確かに高層ビルも密集していますし,交通渋滞や朝夕のバス待ちの行列などをみると,人も多いように感じます.バスもほとんどが満員で乗れずに次のバスを待つ風景もみられます.バス待ちを相手にする屋台も出ています.


街は意外に起伏があり,坂も多いです.東洋人街 (旧日本人街, Liberdade) のすぐ脇も結構な坂になっています.道路も地下道が何本かありなるべく止まらないような工夫をしているのでしょうが,渋滞は激しいです.治安が悪いこともあり,移動はほとんどタクシーを利用したのですが,時間に余裕をもって乗らないと遅刻してしまいます.

Sao Paulo 市は,これまででもっとも治安の悪い出張先だと思います.隣の Rio de Janeiro 市の方がもう少し悪いみたいですが.現地に駐在されている方や現地の方に聞いても,皆さん否定しません.昼食の帰りに大通りから一本となりの道を歩いていたら時計を取られたとか,強盗にあったとき用の財布を用意しておくと良い,とかいろいろアドバイスを頂きました.市内に公園が少ないと思ったら,子供達は基本的に外で遊ばないのだそうです.ある程度の地位の方は,学校への送り迎えも車で行うみたいです.帰りのタクシーでも,PC が入っている鞄はさすがに手元に置こうと後部座席に持ち込もうとしたら,ホテルの方に誰か見張っているかもしれないからトランクに入れておいた方が安全だ,と言われました.確かにこう渋滞すると,停止中に強盗がやってくる可能性もありますから,なるべく荷物があるようなそぶりは良く無いのでしょう.全く...


こういった状況ですから,最近は郊外に高級マンション (勿論塀があって入り口が警備されている) やオフィス街,ショッピングモールなどが移っているみたいです.上の写真は市の南部にある Morumbi の shopping mall 周辺です.shopping mall 内も,見える範囲にかならず人 (女性が多かったですが) が立っていて見張っていました.

こんな場所なので,さすがに街を走ろうとは思いませんでしたが,郊外で走っている人は一人見かけました.
いつも長時間飛行機に乗ると,お尻が肉が痛くなるのですが,今回は少し走っているおかげしょう,ほとんど痛い思いをしませんでした.時差も真反対なわけですが (時計をずらさなくて済む) 初日に念のため睡眠導入剤 (背に腹は代えられず薬のお世話に) を服用したら,時差調整も比較的うまくいきました.二日目からは 3時起きでしたが,初日眠れたのが後々随分楽になりました.
ということで,今回は短期間の長旅の割には,直近の出張に比べて随分楽でした.秋になりつつあるとはいっても暖かい土地柄で,日差しも強かったのも良かったと思います.