2010年5月16日日曜日

1Q84 Book3

村上春樹を読み始めてからもう四半世紀でしょうか.最初は勿論「風の歌を聴け」でしたが,そのときの年齢や時代,それらの変化が合っていたのでしょう,新刊が出るたびにずっと読み続けています.エッセイや紀行文などはわりと軽めですが,小説は段々と重苦しくはなってきているように感じます.



「ねじまき鳥クロニクル」のときもそうですが,最初に2冊 (第1部と2部) が出て若干消化不良気味な終わり方のあと,暫くして 3冊目が出ました.いずれも出さなくても大筋としてはあまり影響は無かったと思わないでもありませんが,いずれも続編で多少 (Book 3 はかなり) 救われた感が増します.好みの問題もあるかと思いますが.
それにしても牛河さんはちょっと可哀想ですね.以前も同じ名前で似たようなキャラクターが出てきましたが,ある種の象徴として利用しているのでしょうか.ちょうど手塚作品でのヒョウタンツギ (これはちょっと違うか) やランプみたいな存在でしょうか.
この作品も,二つの世界 (1984 と 1Q84) が出てきますが,言わずもがなですが "世界の終わりとハードボイルドワンダーランド" でも二つの世界が出てきます."1973年のピンボール" でも双子が出てきます.村上氏は一人っ子のせいでしょうか,似たような二つのもの対する思い入れが何かあるのかも知れません.

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